fool on the hill

走 破
久々に長距離運転 新潟縦断~東北全六県周遊
軽自にて日本海沿岸北上 目的地 秋の奥入瀬

四泊五日寄道がてら1650km走行
所々ぶつ切れではあるがほぼ整備された高速道

仕事であれば便利この上ないが旅情には全くの不向き
休憩に一般道を流す始末 とは言え
まだ高速のない時代 東京青森往復の仕事は大変だった
若 人
保科から狭く急峻な山道を清流沿いに駆け上がる と
いきなり広大な菅平レタス畑 朝6時 あちこちに収穫勤しむ村人
そして突如 驚くべき若人の大群が道路を埋め尽くす

ラグビー部員と見られるけたたましい体格の軍団
ほっそりとした各有名校の長距離走集団
柔軟そうな女子レスリング部員の隊列
それぞれの集団を追う車にサポート部員

どこから湧いた?高原は至る所トレーニング中の若人だらけ
車で走るにはごめんごめんと一々頭下げ気を遣う
ラグビーの聖地とは聞いていたが夏の菅平がこれほどとは、、

こりゃ駄目だと隣の峰の原高原へ
スキー場のてっぺんまで登り詰めようやく朝食

空は青く手を伸ばせば届きそう
久しぶりに顔見せる北アルプス全景に槍や立山までも
無上 望外 恐悦至極 ありがたき幸せ、かな
気 儘 
朝6時志賀高原は三角池 静寂の中 朝食済ませ付近を散策
常に地べたを探す連れが大笹の茂みに見つけた透明に輝く植物
銀竜草だと言う 美しい!と見るか不気味と見るか ^_^;

いつの間にか深い霧 行くあてもなく走っていたら
日本国道最高地点2172m渋峠 すざましく吹き上げる雲
常の強風らしく樹木の枝は皆一方向へ 視界超不良

風に押されるように転がり落ちてみればここは草津温泉
んだばちょっくら 合わせ湯など初心者用をほんの少し

一眠りして人種入り混ざる湯畑見学 見上げれば真っ青な空に白い雲
さっき見られなかった荒々しい岩石群の白根山に戻り

登ってみる50年ぶりに? 徒歩20分とは言え結構きつい
下ってくる人々に励まされながらようやく展望地点
眼下に広がるたとえようもない変わらぬ色に汗が引く

ここから峠まではまるで天空を走っているような道が続く
ついでに笠岳~山田温泉の崖っぷちを走る
案の定下界はこの暑さ!気温10度の世界が懐かしい
脱 出
いやがる婆を車椅子に縛り付け施設に投獄
実態は逆 ケアマネが少しは君が休むべしと

ではお言葉に甘えてと二泊三日富山石川へ慰労旅
青空背景に海にそびえ立つ白銀の立山連峰 氷見の幸
夜は夜とて大満足の居酒屋 富山の人はあたたかい

翌日 この地の人が普通に食す刺身とは?と地元スーパーへ
あるわあるわ 定番から見知らぬ魚まで
喜び勇んで買い込むも上寿司一人前にも満たぬ値段

どれもこれも「きときと」と いい加減になさいませ!
数種類の刺身を腹一杯食ったなど生まれて初めて
富山特有甘口まったり醤油ももちろんご一緒

初日の幸運使い果たしたか二日目は一日雨
濡れてなお増す威厳の黒能登瓦を載せる格調高い家並
のんびりゆったりしっとりと静寂の道中

三日目は快晴 窓越しに望むうららかな日本海
しかし輪島の朝市はものの数分で退散 そこへ電話

意識なく救急で病院に運び込んだとショートステイ職員
すぐ戻れと言われてもここは能登 ぶっ飛ばしても数時間

メーター振り切りターボ全開の軽 到着 15:30
駆けつけた心配顔の妹と ICU に飛び込めばベッドでニタリと笑う母
先生曰く 「突如戻った、、」 あのなぁ、、わしゃ能登に戻るぞ!!
空 旅
博多は八百人収容の客席 客層に外国人が多いと
反応が顕著で手応えが違う 盛大な拍手を受ける喜びは久々

本場の刺身はどれも引締まり甘さ堪能
信州松本空港からの往復空路も新鮮!だった

帰路は晴れ渡り 四国の山々 瀬戸内の眺望
そのうち見事な富士 白山に各アルプスの白き峰々

御岳 乗鞍 穂高を間近に眺め機長はまるでバスガイド
松本上空を二度ほど旋回サービス
見事なパノラマに乗客も身を乗り出しての歓声

着陸後 窓を眺め続けた首が戻らない
寒さ厳しく美しい信濃の冬がまた始まった
雁 木
一般道でも2時間程度 冬の終わりも間近のはずの日本海
吹きすさぶ風に荒れる直江津の海 灰色空にカモメの乱舞

途中迷い込んだのは高田の街 「がんぎ」の仲町通り
延々と続く低い二階建て家屋の前に思い思いの木製アーケード

不思議な風情 総延長は16kmに及ぶそう
豪雪への智恵とは言えいったいどれだけの雪が降るのやら

帰路にちょいとノドグロと地魚 ついでに生鯖をほおばって
まだまだ真白き妙高を目の前にゆったりのんびり露天風呂
何が良くて猿見にゃならん 自分で浸かるがよほどの極楽
瞑 想
今年は猿が干支 だからではなく
ただのお供で地獄谷野猿公苑 徒歩往復一時間

最初と最後がほんの少しの登りで後はほぼ平坦
左は深い谷底 右に石垣作りの用水路が続く狭い道
雪深くなければ猿目的でなくとも趣ある山道

まばらに行き交う人々はほぼ海外の旅行客
早朝にもかかわらずたどり着けば露天風呂は人だかり

湯治猿はたったの一匹 眼前10cmに迫るレンズ群に
吾唯足知 の佇まい 俗は群がるこちら側 
牛 車
強烈な陽射しの中 十数人の観光客を乗せ嫌々荷車引く水牛
元はと言えば北海道に暮らしていたそうで
竹富島で働く内に白毛が黒毛になったとか ^_^;

歩いてもせいぜい5分程度の赤瓦屋根の集落一周を休み休み3-40分
眼前にでかい尻 馭者の三線と島唄 のんびり揺られ

牛名「あ~ぱ~」降りて顔見りゃ 立派な角と優しい眼差し
思わず 「お仕事ご苦労様!」
台 風
春の息吹を載せたのがついこの間
その翌週には台湾すぐそこ石垣島へすっ飛んだ

島はすでにムシムシと梅雨本番
時折顔覗かせる太陽はギンギラギンの夏本番

五泊六日の一晩を幼児期以来の貴重な体験
荒れ狂う本場の台風存分に楽しませて頂きました

さすがです!南国台風!
芳 春
北陸新幹線開通に沸く飯山 噂の菜の花畑を見に行けば
山の残雪と千曲の川を背景にようやく春の息吹そこかしこ

帰路に立ち寄る栗と北斎の町 小布施堤防沿いの桜堤は
延々4km 600本の八重桜 運良く超満開の圧巻に出くわした 信濃の春は長い
童 話
まだ明けの明星輝くうちに一山越えて静かな湖畔
登る朝日と鳥の声 木陰の水辺でまたも優雅な朝食

家からはほんの30分ほど 朝の散歩にゃ贅沢すぎる
点在する近くの湖もついでに巡りちょっと迷い込んだ森の中

助手席が 「お菓子の家だぁ!止まって止まって」
見れば確かにヘンゼルとグレーテル

人は住んでいそうもなく店でもなさそう
建ち並ぶ三楝全てが童話の世界 何だコレ?
灰 焼
灰焼おやきを確かめに中条山奥 やきもち家 へ
またも急坂 登る登る緑深い山道

茅葺き屋根の中に入れば真っ黒に煤けた太い梁
囲炉裏には燃える薪と煙 自在鉤に吊るされた大鉄瓶

どうやって包むのと思うほどの薄皮に具がたっぷりのおやき
残念ながら囲炉裏端で焼かれずに冷めた出来合が出てきた

ざる蕎麦とおぶっこ煮(ほうとう?)も欲張り完食
太鼓腹二つを乗せた原チャリ 転げ落ちる帰路
青 鬼
白馬村の少し北 姫川ダムから急峻な山道を登る
辿り着いたのはカブト造りの屋根群 青鬼(あおに)集落

早朝どこもかしこも霧 急坂を流れ落ちる小川の水音だけが響く
棚田の石垣近くに腰かけ さてといつもの腹ごしらえ と

突如 晴れる霧 見る間に視界が開けた
棚田越し 眼下に市街地 眼前に未だ残雪の 五竜 唐松 が聳え立つ

行い良き人に幸あり  ^_^;  
緑 葉
東京文京区本駒込の下宿に入ったのは43年前
一階は大家さん 二階三室が下宿人

薄暗い四畳半に半畳の押入れと簡易台所
トイレ共同 窓の外は隣家のベランダ 家賃は4千円程度だったか
それでも寮を出て初めての一人暮らしには心躍る空間だった

前置きさておき本題「おもと」 「万年青」と書く
世話になって4年 目黒へ越すことになった朝

「持っていきなさい 新しい家に入る前にまずこれを部屋に
入れるんだよ 息災でいられるからね」 大家さんに渡された一鉢

それが今 青々と目の前にある 長い付き合いだね まだまだよろしく
雑 踏
晴れ渡った朝の上高地 降り立った大正池
左手に焼岳 右手に奥穂が映る静寂な湖面に言葉も出ず

引き締まった空気の中 左岸をゆったり上流へたどる
気持のいい静けさが続いたのは田代池まで

そのうちザワザワワイワイガヤガヤに追いつかれ
河童橋にたどり着けば観光バスと人の山
日本各地のお国言葉飛び交う中に一際目立つ中国語

いやはや これが休日ならいったいどういう事に、、
雑踏から逃れ ほっと一息つける場所に佇めば

川面からいきなり立ち上がる残雪の西穂 奥穂 前穂高
影のように聳える明神と雪渓から吹き降りる風に揺れる新緑

さすが壮観の名勝地 雄大な眺めの何と贅沢なこと
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