fool on the hill

円 形
スケベニンゲンと発音すれば通じるオランダのリゾート地
スヘフェニンヘン。ここにタイトルの小さな美術館があった。
見かけはサーカス小屋のよう。高さ15m周囲113mの円形。
中央に砂が敷き詰められそこに火の見櫓のようなものが立つ。
訪問者はここに登り360度の眺望を得る。
周囲全てがその地域の絵なのである。煙たなびき雲流れ
鳥は飛び海岸に寄り添う船の影、地平線、道路、運河、
教会や建物、人々の営み全てがありのままに見渡せる。
実際にその絵の描かれたであろう場所に行ってみても
さすがヨーロッパ、それほど今と変わらない。

しかしこの大きな一枚の絵、何と表現すればいいのか。
奇妙なる違和感、現実、錯覚、虚構、、
ひんやりとした静寂な空気の中、
遠近法が幾重にも張り巡らされて、、。

そのうち二次元なのか三次元なのかもわからなくなる。
自己の存在までもあやふやになりそうで思わず体が傾いた。
絵自体が放つ静寂感は未だに忘れ得ぬ音の記憶。
もう二十数年前の体験。

たまに美術館や博物館など訪れるが、どうも根が
へそ曲がりのようだ。目的そのものよりも他のもの
に反応してしまう事が多い。いつのことだったか
流れるクラシック音楽の余りに絵との調和に思わず
いったいこの曲は、 職員に問いかけた、、。 

笑われた、、、、。
Designed by aykm.