fool on the hill

冷 汗
先日携帯にネオン輝く怪しげな劇場入口の写メール
「懐かしき青春の1ページ」と件名に
発信者は都内在住某尺八演奏家

記憶は一気に20年前に飛ぶ

音楽祭が終わった夜 ここは草津
草津と言えば温泉 温泉と言えば言わずと知れた

故箏演奏家○師
【何処行くの?】

[ えっ!いや あの その ] 我ら若き二人

【僕も行く】

[ ひっ! おい どうする?]  [ 連れてっちゃえ!]


数名の客の中 花道かぶりつき席に陣取る3名
艶っぽいミュージック 輝くミラーボール 七色の照明

何人目かの若き踊子サービスタイム
我らの前に座しおもむろに

と何を思ったか○師 いきなり指を踊り子の胸の先端に

狂ったように吠える場内アナウンス
「踊り子さんには一切お手をお触れになりませんよう!何卒何卒」

[ こいつアホか 常識知らず ] 唖然とする若き二人

踊り子は慌てもせず
「写真撮ります?」とポラロイドカメラを差し出す

○師動揺も見せず 【僕が撮ったげる 並んで!】

酔った勢い 俺の右頬は踊子の左胸 尺八吹の顔は右胸に
踊子に二人抱えられるの図

カシャッ! 【 証拠撮った 】とニンマリ○師


帰り道スタスタと先行く○師

[ おい やばいぞ 明日には全国に知れ渡る ヤツは邦楽界のNHKぞ ]
[ まずいな ]
[ よし 一端部屋に戻ったら○師呼び出せ ]
[ 了解!]

泥棒などしたくはないが背に腹は
旅館だから部屋の鍵なぞないが幸い
そっと忍び入り○師のバッグをあさる

あった!

にやけた二人の写真を引きちぎりポケットへ
無事任務完了


翌朝食時
 【ねぇ 昨日の写真知らない?】

 [ いえ 存じませぬが ]

 【変だねぇ 落としたかな?】

 [ そ そんな 落としただなんて ]

勘のいい○師はお見通し しつこい
知らぬ存ぜぬ押し通す若き二人 背中は汗びっしょ

その後半年経っても不機嫌な○師であった


ん?待てよ この写メールって? まさか入口だけってことはないよな、、(笑)
師 匠
札幌5108企画
13年前の大阪レコーディング以来実に久しぶりの師匠との舞台

当日練習室でのソロリハ 眼前で紡ぎ出される音の威迫
一音一音がまるで開放された生き物のように空間を飛び回る
底知れぬ遠く深い闇から噴き出る意志とでも言ったらいいのか
師の実態は仮の姿 一瞬そんな幻想を抱く

一見 方向性を異とするように見える二人の師
その実 完全なる運命共同体だったことを改めて知る

怖ろしい真の演奏家二人に出会ったものだと今更ながら
生きていれば70才の沢井忠夫 未だに進化続ける66才の沢井一恵

一矢報いたいなど 所詮叶わぬ夢だった


灼熱続きの日々 札幌の気温にようやく一息
大通り公園 夏の終わりの盆踊り横目にすすむ大ジョッキ
夜空見上げてカンパ~イ!当然本番終了後もまたまたカンパ~イ!
これがあるからやめられぬ

5108企画も年に3本 負けず劣らず熱き侍4人
息切れせぬことを心から願う

帰路千歳に来てみればごった返す夏休みの人々
そこに那覇空港中華航空機炎上の図 一瞬凍る

眼下複雑に伸びる東北の海岸線 前方上空に真昼の月
青空に映える迫力の積乱雲 食い入るように眺め旅は終わる

羽田はまたも暑かった
縄 縛
危ない趣味の話ではなく純粋に縄を操る技術
先日のワークショップでロープワークに長けた青年を知る

こちとらご存じは大根干の結び方と花結びに固結びぐらい
それもどうやら俺の本結びは縦結びだったらしい

調べてみれば気の遠くなるような数の結び方
これはやるしかないと
6mm径のナイロンロープ5mを早速入手

だがしかし
分解図片手に結べども結べどもできあがる形はどこか変

俺の頭は壊れてる?

例えば結びの王様 「もやい結び」 ボーラインと言うそうな
適当な大きさの解けにくい環を作るのだが
ただ環を作る形 自分に巻き付ける形 柱などに巻き付ける形
と同じ結び方にも関わらずこれまた難題

納得に要した数時間 自在になるまで三日間 忘却は一瞬

とりあえず10種類は覚えた よしこれで来年は
筏も組める ネットも張れる ブランコだって夢じゃない

な~んてね
やっぱり忘れた俺が立ちつくす 絵が見える
憤 怒
サウナの如き九州から期待して帰ってみれば
まるで焼けた鉄板上にいるような関東 連日猛暑

極暑 激暑 酷暑 劇暑 炎天 酷熱 炎熱 灼熱
言葉遊びしてる場合じゃない 体温と同じかそれ以上なんて

週末は北海道
彼の地の友のブログを見れば一言 「あぢぃ~!」
近頃夏の北海道 涼しかった例しのない我が身

確か昔 札幌の店舗に冷房を見つけるのは難しかったはず
クーラーないの?と聞けば大笑いされたっけ
今じゃアンビリーバボォ~

懇願通り越し憤怒の毎日
台 風
台風5号宮崎上陸 まっただ中
えほんの郷のある木城町にも被害は出たのだが
子供の頃に感じた脅威を久しぶりに味わった

八方破れに降る雨と風のうなり 木々の叫び
実にダイナミック ぽかんと口を空けて眺めてた

今年は子供達を遊ばせようと大工の棟梁は
欄干にブランコとぶら下がりのロープ制作
ロープワーク知識持つ青年のおかげで無事完成
水面までが2m強 池の深さも同じ位 結構恐い

こちらは竹楽器と初めての筏作り
知識がないので試行錯誤連続
ロープ結びを教わるのだがそこはそれ
目の前で締めてもらっても何がどうなってるのか皆目理解不能
呆れられてともかく普通に縛れと

出来上がったはいいが浮くのかどうか
何日原型保つかどうかさえ分からない

試運転初日 恐る恐る皆で湖面に運ぶ

浮いた!

次は生け贄 ワークショップサポーターの若き乙女
竿を操り静かに動き出す

気持ちいいっ! 見事な船出
結局最後まで壊れなかった

子供達はがんがんブランコから池に飛び込む
筏も大人気 怖々俺も乗る 確かに気持ちいい

ワーク最後の水のステージに鳴り響く音
汗まみれのその後はお決まりの

子供は言うに及ばず青年サポーター 大工の棟梁
えほんの郷村長 俺までもどっぶ~ん

きっもちいいっ~!!


別れの朝には青年が立てた20m級の竹にはためく
子供達が書いた旗を全員でひっぱり倒す
ついでにブランコも筏も跡形無く壊す

片付け終わったその後は
何事もなかったようにいつもの静かな水のステージ


この企画 内容は結構ハード
労働もスケジュールも人間関係も

「10才の一人旅」と銘打ってはいても実質は
睡眠時間もままならぬ青年達の試練の場とも言える

大した奴らだった
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