fool on the hill

工 夫
長野県岡谷市文化会館カノラホール主催で
おおたか静流さんと箏衛門との朗読劇を
カノラ松沢さんと共に2年かけて準備した。
元々は箏衛門実験シリーズでメンバーの安田、
山野両名が提示したものを再構成してみたものだ。

終演後片付けのさ中、おおたかさんの譜面台に
表紙に何も書かれてない一冊の大学ノートが
ひっそりと置き忘れられていた。
何かとても大事なもののように感じメンバーに
即返すよう頼んだ。取り上げる際、手がすべって
ほんの一瞬あのおおらかな文字がページ全体に
ぎっしりと書かれていたのが目に入った。
その時電気のようなものが体を貫いて、、。
死ぬほど盗み見たかったができなかった。
一つ一つのページが筆圧でふっくらしてたように思う。
俺は何に感動したんだろう?

初演のビデオを聞いて何度も台本とおおたかさんの
言い回しの違いを確認した。たった一度のリハで録った
音声もランスルーも本番もできるだけ追跡してみた。
結果、飽くなき挑戦と言ったらいいのか、
とにもかくにもいったいどれだけの引き出しを
持ってるんだろうという思いに至った。

特徴的な語尾のほんの小さな言い回しや表現の微妙な変化。
それも毎回違う、一度として同じ事はしてない。
この些細な工夫の集合により、次第とトザエモの人物像が
より明確な姿に変わって行く様は見ていて驚異だった。
それでなくてもわかりにくいストーリーの中で
トザエモがどんどん存在感を増して行った。

これをプロと言うのか、才能の具現化と言うのか、
と思ってた矢先の大学ノートだった。

何が書かれていたのかは本当に知らない。
しかし、真の共同作業をしてくれてた!
そんな意味での感動だったように思う。
単なる思い込みか、、、。

悔やまれるのは自己の対応速度のあまりの遅さだ。
追いつかない。まるで逃げ水だったトザエモ。
でもそれでさえ、余りにトザエモの人物像に合っていた。

初プロデュースに際しては
何かとてつもなく大事なものを忘れてたような
釈然としないこの思い。根元的なミスを犯したか。
二度と同じ轍を踏まぬよう!
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